失敗しない税理士の選び方⑤~なぜ税理士からの返事は遅いのか?~

税理士変更

担当者に連絡しても返事がなかなか来ない
質問したのに何日も放置されている

ようやく返事がきたと思ったら

「確認して折り返します」

でまた止まる

そんな経験はありませんか?

税理士を変えたいという方からの不満で
とても多いのがレスポンスの遅さです

では、なぜ税理士からの返事は遅くなるのか?
今回はこの点についてお話しします

最初に断っておくと
返事が遅いからといって
悪意がある、手を抜いている
というわけではありません

これにはもっと深い理由があります
担当者個人の問題ではなく
構造的な要因が隠れているのです

税理士事務所の業務は
申告期限を中心に動いています

申告期限に遅れると
延滞税・無申告加算税が発生したり
青色申告の控除額が
65万円から10万円に減額されたり
といったように
お客様に直接損害を与えてしまいます

事務所としてそれだけは絶対に避けたい
と考えて動くので
申告期限が近い案件を最優先に対応する
といった状況にならざるを得ないのです

例えば2月〜3月は
個人の所得税の確定申告の依頼が集中します
いわゆる繁忙期と言われる時期ですね

この時期に法人のお客様から問い合わせがあると

「確定申告が終わる3月後半に回答します」

と、つい言ってしまうことがあります

法人の申告の場合も同じです

5月が申告期限のお客様対応に追われている時に
10月が申告期限の別のお客様から相談が来ても
回答を後回しにしてしまいがちです

ですが、お客様からすると
申告期限がまだ先であっても
今すぐ必要な経営上の判断もありますよね?


・今このタイミングで人を採用していいのか?
・この設備投資は今行っても大丈夫なのか?

このような判断は
申告期限とは関係なく
今このタイミングを逃してはいけない
という性質のものだと思います

税理士の都合で返事が遅れた結果
経営判断のタイミングが遅れてしまう
このようなことはできるだけ避けたい
と思っています

担当者によっては
月に5〜6件の決算を抱えながら
日々の問い合わせに対応することもあります

決算作業をこなすだけで
1社あたり数日かかることもあるのですが
そこにお客様からの問い合わせが重なると
どうしても返事が後回しになりがちです

単純に時間が足りていないという状況です

多くの会計事務所では
税理士資格を持たない職員が
お客様の窓口担当として対応しています

ところが税理士法の規定上
税務上の判断が必要な回答は
必ず税理士が行わなければなりません


担当職員が独断で即答することはできないため
税理士の判断を仰ぐ必要があります

お客様から税務の質問をされても

 職員 → 税理士 → 職員 → お客様

という流れがどうしても発生してしまうので
どこかで情報の伝達が遅れると
(特に税理士が外出や面談中で多忙だと)
それだけ返事も遅くなります

即レスしたくてもできないという状況です

昔ながらの慣習が根強く残っている事務所では
業務が効率化されていないケースもあります

例えば

・資料回収目的だけの往復1時間の訪問
・大量の紙の資料の手作業による会計ソフト入力
 いわゆる情報の2度書きです

冷静に考えれば
非効率なやり方を効率化すればいいのでは?
と思えることでも

 これまでそうしてきたから
 今忙しすぎて新しい方法を試す余裕がない

となってしまいます

そもそも
人は余裕がまったくない状況になると
目の前のタスク以外考えられなくなるものです


改善しようにも
改善する余裕がない状況です

本来不要な作業に時間を使ってしまう結果
返事に割ける時間が減ってしまっています

ここまでお話しした理由は
多くの会計事務所に共通して起きている
構造的な問題です

もちろんすべての事務所がそうではありません

こういった構造的な問題に対して
どう向き合うかは事務所ごとに大きく違います

つながる会計では
以下のような工夫をしています

・申告業務を特定の時期に集中させない
 法人のお客様で
 特に決算期にこだわりをお持ちでない方には
 決算期の変更を提案し、年間業務を平準化する

 もちろん
 お客様がその決算期を選ばれている理由があったり
 決算期を変更することで不利益が生じる場合には
 変更は求めません

・担当件数を増やしすぎない
 件数が増えすぎないよう新規の受付を調整する

・税理士資格を持つ岩瀬が担当する

・情報の二度書きを禁止する
 元データを必要な箇所に自動反映させる

・不要な訪問は行わず大事な場面でのみ訪問する
 ブログ記事:訪問を多用しない理由

・緊急時以外の電話対応は行わず
 連絡手段をメールやチャット中心にする
 ブログ記事:なぜ電話問い合わせを受けないのか

・クラウド会計やITツールを活用し
 業務を徹底的に効率化する

このような工夫により
原則として返事は遅くても翌営業日までに行う
と約束しています

返事が遅い税理士が
悪意を持っているわけではありません

返事が遅くなりやすい構造はありますが
それをそのままにしている事務所と
そうならないよう工夫している事務所がある
ということです

日々のやり取りのスムーズさは
税理士選びの重要なポイントです


ここを曖昧にしたまま契約すると
後からストレスが蓄積していきます

これから税理士を探している方は
面談の時に次の点を確認してみてください

・担当してくれるのは税理士本人か
 無資格の職員か?

 職員が窓口の場合でも
 返事が遅れない仕組みはあるか

・連絡手段は電話中心か?
 メール・チャットなどにも対応しているか?
 電話だけだとつながりにくい場合があります

・資料のやり取りは紙が中心か
 クラウド共有などに対応しているか?
 紙が中心の場合はどうしても処理に時間がかかります

・問い合わせに対する返事は
 基本的にどのくらいで来るか?
 翌営業日までなど明確に答えてもらえるか

・担当者が抱えるお客様の数はどのくらいか?
 件数が多すぎると
 どうしても返事が遅くなることがあります

・繁忙期に備えたバックアップ体制があるか?
 忙しい時期でもお客様対応が滞らないよう
 事務所として仕組みを整えているか

これらを確認しておくことで
契約後のミスマッチを防ぎやすくなります

次回は
「また同じことを説明するのか・・・」
担当者が変わる際の
引き継ぎ対策についてお話します

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